自分の赤ちゃんを見ていると愛おしすぎて、ついキスをしたくなることありますよね。
離乳食の時には温めたご飯を大人がフーフーすることもあるでしょう。
ですが、大人の口内から虫歯菌が赤ちゃんへとうつってしまうことがわかっています。
では、どのくらいの時期からどんなことをしたら虫歯菌がうつる可能性があるのか?
赤ちゃんの虫歯菌について色々とご紹介いたします。
赤ちゃんに虫歯菌がうつるのはいつから?
生まれて間もない赤ちゃんの口の中には虫歯菌は存在せず、母親や周囲の大人の唾液から移っていくとされています。
ただ、そこで疑問なのが赤ちゃんに虫歯菌が移ってしまうのでいつから?ということです。
まだ乳歯の生えていない時期なら虫歯菌(ミュータンス菌)は移らないのか?
それとも乳歯が生えていなくても口内に虫歯菌が住み着いてしまうのか?
これに関しては乳歯が生えていなければ虫歯菌は定着できないので虫歯菌は移りません。
ミュータンス菌には、砂糖をもとにして粘着性の物質を合成し、歯の表面にすみ着く(定着する)という性質があるため、乳歯がまだ生えていない時期に口の中に入ってきてもすみ着けませんし、砂糖を含んだ食べ物を摂り始めないうちは歯の表面に定着できません。
逆に言えば、乳歯が生えてきた段階で虫歯菌が定着することが出来るようになるということです。
個人差はありますが、だいたい生後6ヶ月ごろから乳歯が生え始めます。
つまり、乳歯が生え始める生後6ヶ月前後以降から赤ちゃんに虫歯菌が移ってしまうということです。
虫歯に気を付けるべきは1~3歳
特に気を付けなければならない時期は1歳半~3歳です。
虫歯菌となるミュータンス菌が定着できる歯が生えそろっている状況ですし、さらに砂糖を含んだ甘いお菓子を食べ始める時期なので、虫歯が発生しやすい状況になります。
さらに奥歯などは特に磨き残しが発生しやすいので注意が必要です。
お母さんが仕上げ磨きをするときにどこの歯が生えてきているのかチェックすることが大切です。
口移し・キス・フーフーなどで赤ちゃんに虫歯菌はうつるの!?
口移し・キス
離乳食をあげるときにまず最初に自分で熱くないか確かめたり、味見をすることもあると思います。
その時に赤ちゃんと同じスプーンでやってしまっていませんか?
大人が口をつけてしまったスプーンで赤ちゃんに離乳食をあげてしまうとお母さんの唾液に混じって虫歯菌も一緒に赤ちゃんに移してしまうことになります。
直接口から口へあげていなくても一度口が触れてしまっていると唾液を介して虫歯菌が赤ちゃんへとうつってしまう可能性があるのです。
家族の食べているお皿からお箸で取り分けて赤ちゃんにあげるときも注意が必要です。
お箸についた唾液からうつってしまうことがあります。
また愛情表現でキスを赤ちゃんにしているお母さんも多いことでしょう。
口と口が触れることで唾液を介して虫歯菌がうつることもあります。
一回の接触で虫歯になってしまうのではなく、これらの行為を繰り返し行うことによってリスクが高まるので、あまり神経質になる必要はありませんが、大事な我が子が虫歯になる原因はひとつでも減らしてあげたいですよね。
フーフー
口移しやキスに比べたらうつるリスクは少ないですが、熱いものをフーフーするだけでも十分うつる可能性はあります。
息を吹きかけているときにわずかに唾液が飛んでしまう事もありますので注意が必要です。
赤ちゃんの虫歯を予防するためには?
赤ちゃんのころに歯磨きや食生活のリズムなどの基本的なことを身に付けることがとても大切です。
3歳ごろを目安に虫歯予防の知識を子どもに覚えさせてあげることで、将来虫歯になりにくい口内環境を作ることができるようになります。
お菓子やジュースの頻度や時間に注意する
大人でも甘いチョコレートや飴、炭酸飲料などのジュースを飲むことで虫歯になりやすくなることは知っていますよね。
それは小さな子どもでも同じです。
乳歯は永久歯に比べると虫歯になりやすいのでお菓子やジュースを一日に何回も摂取することで虫歯になるリスクが高まります。
ただ、幼児のおやつは発育にも必要な栄養を補うためにも必要ですから、間食内容や時間を工夫したりすることが必要です。
厚生労働省のホームページにも以下のように記載されています。
このため、甘味食品・飲料の摂取回数が多くなるほど、う蝕の発病リスクは高くなるが、幼児の健全な発育の観点から、1日2回程度の間食習慣は広く普及しており、ここでは1日3回以上の摂取を高頻度群ととらえ、リスク低減の目標と位置づけることとし、間食内容を工夫し、時間を決めて飲食する習慣を普及していく必要がある。
引用:厚生労働省
このことから、幼児に与えるおおやつは多くても1日に2回以内に抑えたほうがいいですね!
またおやつの内容に関してはこちらの記事を参考にしてくださいね!
関連記事
フッ化物塗布
市販の歯磨き粉や歯医者さんでフッ化物塗布を行うことで虫歯の予防をすることができます。
食後にフッ化物洗口剤でうがいをすることでも虫歯を予防することができ、現在では小学校などでそういう取り組みをしているところもあります。
歯磨きで口内環境をスッキリ
赤ちゃんは自分で十分に歯をきれいにすることはできません。
お母さんやお父さんが最後に仕上げ磨きをしてあげることで虫歯の予防につながります。
また毎日口内を観察することで、虫歯が早期に発見できたり歯科検診を受けるきっかけになります。
家族の口内環境にも注意!
家族から赤ちゃんに虫歯菌がうつらないようにするためにお母さんお父さんや家族の口内環境にも注意が必要です。
家族の虫歯菌が多ければ多いほど、赤ちゃんに虫歯菌が移るリスクは上がりますし、家族の虫歯菌が少なければ少ないほど、赤ちゃんに虫歯菌が移るリスクは下がります。
親も歯医者さんに定期的に通い、虫歯の早期発見に努めたり、歯を掃除してもらうことで、赤ちゃんも家族も虫歯を予防することができます。
乳歯は虫歯になっても生え変わるから大丈夫?
でも乳歯は小学生くらいになると抜けて生え変わるので虫歯になっても大丈夫!
もしかして、あなたはそう思っていませんか?
その考え方は危険です。
乳歯の段階で虫歯になってしまうということは虫歯菌が多く、口内環境がいいとは言えません。
永久歯に生え変わるからといって虫歯菌が多い状態の口内環境は変わりませんので、結果的に永久歯も虫歯になりやすくなってしまいます。
また専門家も乳歯が虫歯になるリスクとして次のように説明しています。
- 虫歯でしっかり噛めないとあごの発達に悪影響が出やすい。
- 乳歯の虫歯の影響で、永久歯のエナメル質ができにくくなってしまう。
- 乳歯が、虫歯で欠けたりすると、永久歯の生えてくるスペースが十分に確保できなくなり、歯並びが悪くなる。
- 乳歯の虫歯をそのままにしておくと、口内の虫歯菌が増殖して、その後にはえてくる永久歯も虫歯になりやすくなる。
引用:たかしな歯科クリニック
まとめ
離乳食をあげるときやキスなどの愛情表現で子どもに虫歯菌をうつしてしまうかもと考えるほど、神経質になる必要はありません。
愛情表現をするときはたっぷりと愛情をかけてあげてください。
大事なのはきちんと虫歯に対して意識することです。
また半年から1年に一回は定期的に検診に行き口内をきれいにしてもらうことが大切です。
子どもが将来虫歯のない健康な歯で生活できるように今から親ができることを少しずつでも意識することが重要です。
歯磨きを嫌がることもあるかもしれませんが、頑張って歯磨きをしてあげましょう。