出産後多くのお母さんたちが気にする授乳問題。
「出来れば自分の母乳だけで育てたい!」と思っているお母さんも多いのではないでしょうか。
ですが今はいろんなメーカーからたくさんの種類の粉ミルクが出ていますし、粉ミルクの栄養も一昔前と比べて、本物の母乳に迫るレベルになっています。
そこでこの記事では母乳で育った子とミルクで育った子の違いとそれぞれのメリット、デメリットをご紹介いたします。
母乳で育った子とミルクで育った子の違い
産院や育児書ではできるだけ粉ミルクよりも母乳で育てる方がよいと言われています。
ミルクは母乳の成分や味に近づけて作ってありますが、完全母乳と粉ミルクで育ったのとで、実際に差があるのでしょうか?
体格の違いはない
まずはこちらの動画をご覧ください。
この動画の分布図でもわかるように母乳育児とミルク育児での体重の差はありません。
よく言われる噂のひとつとして、「ミルク育児は赤ちゃんがぽっちゃりしてきてしまう」「母乳育児は体が引き締まる」などと言われています。
しかし、これは医学的な根拠がない話です。
実際、母乳育児でもぽっちゃりとした赤ちゃんはいますし、ミルク育児でも引き締まった体をしている赤ちゃんもいますので、噂に振り回されないようにしましょう。
母乳には免疫力を向上させる効果がある
母乳にはお母さんの持っている免疫力を向上させる成分も含まれています。
特に初乳には産まれたばかりの赤ちゃんを守る免疫物質が多く含まれているので、産院ではできるだけ初乳を与えるよう指導しています。その免疫力を赤ちゃんは体内に取り込むことによって風邪などにかかりにくくなります。
ただし、最近の粉ミルクにも免疫力を補助する物質が含まれておりますので、粉ミルクにはまったく免疫物質がないというわけではありません。
ただ、母乳とミルクを比べると母乳育児の方が病気にかかりにくくなるのは事実です。
あごや脳の発達
産まれたばかりの赤ちゃんはなかなか上手におっぱいを吸えません。でも哺乳瓶からはちゃんと飲めているということはありませんか?おっぱいを吸うのにはコツと体力が要ります。
ですが哺乳瓶の乳首はわりと弱い力でミルクが出てくるので、母乳で育った子より口内の機能が発達しにくく、歯並びが悪くなる傾向にあると言われています。
母乳育児のメリット・デメリット
母乳育児のメリット
お母さんの子宮の戻りがよくなる
赤ちゃんがおっぱいを吸うことでその刺激がホルモンを分泌し子宮の収縮を促してくれます。
また、悪露を止める働きもあるので出産後のからだの回復が早まります。
手間いらず
ミルクのときは哺乳瓶の消毒、ミルクの温度、粉ミルクを買いにいくなどあげるまでに手間がかかってしまいます。
ですが母乳ならお母さんがいればどこでもあげることができます。
夜なかなか寝てくれないときも添い乳していると安心して寝てくれる赤ちゃんも多いでしょう。
また外出するときも粉ミルクを作るためのお湯や哺乳瓶を持ち歩かなくていいので、荷物が少なくなります。
おむつや着替えだけでもカバンはパンパンになってしまうので、できるだけ荷物を減らせるのはお母さんにとってもいいことですよね!
母乳育児のデメリット
お母さんしかできない
母乳はどうしてもお母さんしかあげることができません。
体調が悪いときも、兄弟のお世話をしたいときも、どんなときもお母さんが手を止めて授乳しなければいけません。
赤ちゃんがお母さんのだっこじゃないと泣き止まなくて、お父さんが育児に参加してくれない原因になってしまうこともあり得ます。
断乳、卒乳に時間がかかる
赤ちゃんはお母さんのおっぱいが安心する居場所でなかなかやめられない子もいます。
保育園に預けるためにはミルクに慣れさせなければいけなかったり、母乳が出なくなってくるとミルクに変えたくてもなかなか飲んでくれないということもあります。
夜間断乳するだけでも夜泣きがしばらくはひどかったというお母さんもたくさんいるのではないでしょうか。
ミルク育児のメリット・デメリット
ミルク育児のメリット
飲む量がわかる
新生児のころは体重の増え方でミルクをどのくらいあげるのかが変わってきます。
哺乳瓶のメモリと計量スプーンのおかげで赤ちゃんがどのくらい飲んだかがすぐにわかるので、量の調節がしやすいです。
お母さん以外の人に任せられる
お母さんができないときでもお父さんやおばあちゃんでもミルクなら作ってあげることができます。
なのでお母さんだけが授乳で悩むことなく家族で協力してやることができるので、お母さんのストレスも少しだけ軽くなりますよね。
妊娠しやすくなる
母乳をあげているときは排卵しないように生理が来ないようにホルモンが働いています。
ですが年子を希望していたり、すぐに次の子どもが欲しいときは粉ミルクをあげて、母乳をやめた方ができやすいと言われています。子宮の回復も個人差があるので生理が再開するのが早い人もいれば遅い人もいます。
ですが次の妊娠を希望している場合は断乳してでもミルクにした方がいいと産婦人科の先生が言っていました。
ミルク育児のデメリット
ミルク代などの費用
粉ミルク代、哺乳瓶代、お湯を沸かす電気またはガス代などミルクを作るだけでいろんな費用がかかってしまいます。
メーカーによって粉ミルクの値段が違ったり成分も若干違うので、高い粉ミルクの方がいいのではないかと考えるお母さんも多いと思います。
ですが、新生児から1歳まで飲める粉ミルクは実際のところどのメーカーの粉ミルクでも赤ちゃんはちゃんと必要な栄養は取れています。
ミルクを作る手間
粉ミルクを赤ちゃんにあげるまでに計量スプーンで量って、お湯を沸かして、水で人肌になるまで冷ますという手順があります。
難しいことではないですが、1日に多いときは6~7回それを繰り返さなければいけません。
また冬の寒いときや夜眠いときでもキッチンに立って作らなければいけません。毎日のことになると少し苦痛になってしまいますよね。
だんだんとあげる回数は減ってきますが、慣れていない新生児の時期が一番回数が多いのでそれがストレスになってしまうお母さんもいるのではないでしょうか。
まとめ
母乳とミルクを比べてみるとやはり母乳の方が赤ちゃんにはよいと言われている理由がわかります。
ですが体質的に母乳が出にくかったり、赤ちゃんの吸う力が弱かったりしたりとさまざまな理由でミルクを選ぶお母さんもいます。
どちらでないといけないということはないので、赤ちゃんとお母さんに合った方を選択することが一番です。